あなたを忘れない
2007年01月27日
「あなたを忘れない」という映画を見ました。6年前、線路に落ちた見も知らぬ日本人を助けようとして亡くなった韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さんのお話です。正義感あふれる爽やかな青年が、将来のこと、好きになった女の子のこと、家族のこと、日本と韓国の関係、日本人と韓国人の違い・・・様々なことを考え、悩みながら真剣に生きていた様子が伝わってきて涙が止まりませんでした。
ご両親はじめ周りの方々にとっては本当につらく悲しい出来事だったと思いますが、この事故は私たちに多くのことを教えてくれました。短かったかもしれませんが、彼の人生は豊かな実りあるものだったと思います。そして大きな使命を果たすために神様に召されていったのでしょう。
イ・スヒョンさんのご両親は事故後に寄せられた多くのお見舞金をアジアから日本語学校等に学びに来る就学生のための奨学金に当てることにされ、李秀賢奨学会が設立されました。そして今まで300人近い学生達が日本で学ぶ機会を得ることができたそうです。イ・スヒョンさんの遺志を継いだ大勢の若者達が育っていくことを期待したいと思います。
29歳でこの世を去った吉田松陰先生は「十歳で死ぬ者は十歳の中におのずから四季を存し、二十歳は二十の中に、三十歳は三十の中に、五十、百はおのずから五十、百の中に四季を有するはずである」と語っておられます。イ・スヒョンさんは26年の実を結び、その種子がこれからも受け継がれていくことでしょう。
この記事は2007/01/27に公開され2024/02/28に更新、6 ビュー読まれました。