友人である沢知恵さんのコンサートに行きました。会場は大島青松園という高松市のハンセン病国立療養所です。私は去年に続き今回２回目。今年は７回目のコンサートですが、７回連続して参加している人もいます。11時に高松港に集合。約30分船に乗って大島へ。

島に着くとまず説明会等があり、入所者のお話を伺います。それから各自持参したお弁当を好きな場所で食べた後、島内見学。案内役は庵治第2小学校という今年休校になってしまった島内の小学校出身の子ども達です。

「以前はこの島でしか通用しないお金がありました。なぜならお金を持って逃げられないようにするためです。」

「ここの病院には各科が揃っていますが、産婦人科はありません。なぜならここにいる人たちは子どもを生むことが許されなかったからです。産まれてきた赤ちゃんを殺されるということもあったそうです。」

こんな説明を受けながら島の中を歩いて回ります。きれいに花が植えられた住居棟。島から見える海は美しく絶景です。しかし、入所者の方々はどんな想いで何十年もこの海を見ていたのでしょう。

コンサートの中でみんなで歌った「故郷」の歌。帰りたくても帰れない故郷・・・。入所者の高齢化が進みコンサートの前日もひとりの方がお亡くなりになったということでした。

沢知恵さんは牧師だったお父様に赤ちゃんの時初めて大島青松園に連れて来られたそうです。勿論当時のことを本人が覚えているわけではありませんが、赤ちゃんだった彼女の存在は皆に喜びと希望を与えたことと思います。当時かわいがってもらった方達を今でも家族のように大切にし、毎年コンサートを開いている知恵さんの歌声は私の細胞の隅々まで染み渡りました。

青松園の皆さん、来年も行きたいと思いますのでそれまでお元気で。