因通寺

因通寺

福岡空港から車で約1時間。佐賀県にある因通寺に行きました。

6月にタイに行った際お世話になった慧燈財団小西誠事務局長から聞いた因通寺の百万人針。普段はレプリカがいつくしみの塔の中に飾られており本物はしまってあるそうですが、今回特別に見せて頂きました。

やすらかに 眠れぞと思う きみのため
いのち捧げし ますらをのとも

なぐさめん ことの葉もがな たたかいの
にはをしのびて すぐすやからを

戦死者と遺族に対して皇后陛下が詠まれた二首の御歌。因通寺第15世住職であった恒願院和上は感動し、この御歌を多くの女性に刺繍してもらうことにより平和の大切さを訴えていこうと決意します。まず一針目を皇后陛下にお刺し頂き、各親王様、学習院の女子生徒がそれに続きました。昭和13年のこと。その後恒願院和上は盲目の身でありながらも全国を回って刺繍を完成させていきますが、その間約8年。平和を説き続け、まさに命がけの旅であったことでしょう。そして実際には百数十万人の想いのこもった刺繍が完成・・・とほぼ同時期に終戦をむかえました。

一針、一針に込められた心から平和を望む想い。戦地に行っている夫、息子、父、兄、弟、恋人、友達、親戚達に無事帰ってきてほしい、もう一度会いたいという願い。その女性達の想いや愛情の深さ、気持ちの重さは60年以上たった今でもその文字から浮かび上がり私の胸を突き刺してくるような気がしました。

戦争反対、核反対、平和を愛する・・・言うことは簡単です。

しかしどこに行っても人の悪口や批判を聞かない日はないのが人間社会。

日本は長い間戦争こそしていないものの、ひとりひとりの心の中に平和はあるのでしょうか。

戦争当時一針に込められた純粋な愛情を今私達は誰かに向けているのでしょうか。

改めて真の平和とは何なのだろうと考えてしまいます。

この記事は2008/08/17に公開され2024/02/28に更新、2 ビュー読まれました。

    2024/02/28   ブログ   

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