お盆
2008年08月15日
ついこの間まで青々と天に向かってまっすぐ伸びていた稲が、穂を実らせ次第に頭を下げ始めました。
「今年は特別にお暑いですね。」
どこに行っても同じ挨拶を交わしていますが、秋の訪れは確実にすぐそこまで来ているようです。
毎年この時期は初盆(新盆)のお参りに何十件ものお宅をお尋ねします。
そこで伺う様々な故人の思い出・・・父は戦死。戦後、生活のために食料を担いで街に売りに出ていたという母親の初盆。本当に苦労をかけたと語るご子息・・・。
3年以上アフリカで柔道を教えていたという42歳の息子さんの初盆。病気なんかしたことなかった、まだ独身だったのにと声を詰まらせる母・・・。
長く患って亡くなる方、ある日突然逝ってしまう方、自らの命を絶つ方・・・。
お盆に集う家族。それぞれの想い、それぞれの形・・・。
生きること、死ぬことを考え、自分自身が健康で、家族がいるという日頃当たり前に思っていることに感謝する瞬間でもあります。
お盆は帰省した家族が集まり、改めて家族の絆や故郷の暖かさを感じる時。各地の夏祭りや花火大会ではおじいちゃん、おばあちゃんに嬉しそうに手を引かれる大勢の子ども達の笑顔がありました。ご先祖様の魂も家族の幸せな姿を見て喜ばれることでしょう。日本の地域の慎ましやかな幸せは都会でスカスカになった心に潤いを取り戻してくれるはず・・・だと私は思います。
この記事は2008/08/15に公開され2024/02/28に更新、3 ビュー読まれました。
2024/02/28
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