我ら海の子展
2008年08月21日
財団法人サークルクラブ協会、社団法人日本海洋少年団連盟の共催で開催される我ら海の子展。昭和48年岡本太郎氏が審査員長として始まったこの我ら海の子展も今年で36回。私は34回から審査員をさせて頂く様になり3年目です。子ども達の絵は独創的でカラフル。エネルギーに溢れています。どの絵も素晴らしくいつも選ぶのに苦労します。
今年の安倍昭恵賞は小学校1年生の小笠原佑吏ちゃん。
「海の中の夕焼けパーティー」というタイトルの作品です。
夕陽の中で波も踊っているよう。
海の中も楽しそうで本当にパーティーみたい・・・。
佑吏ちゃんもとってもかわいい女の子でした。
また来年も出品して下さいね。
銀賞に入選した渡辺弘樹君。「ヒトデ」という作品。とても力強いカラフルなヒトデは頑張って生きている弘樹君自身の姿かもしれません。
弘樹君の病気は「プラダー・ウィリー(症候群)」。初めて聞く病名です。染色体の異常による生まれながらの病。筋力の低下、食欲のコントロールができない、感情の抑制が困難、知的障害の発生等が特徴で小学校一年生の弘樹君はまだ字の読み書きができません。でも絵ならなんとかなるかも・・・というご両親の思いからお絵かき教室に通うようになりました。そして今回の受賞。ご両親は入選の知らせにさぞかし喜ばれたことでしょう。
頑張れ弘樹君!!勇気と愛情に溢れた立派なご両親の元に生まれて良かったね。
ご両親からの手紙(一部)
私たちは、今回の弘樹の受賞は、このような病気があることを多くの人に知ってもらう良い機会であると考えました。
「脳の異常により、食欲や感情の起伏がコントロールできない」という病気があることは、普通の人は知りません。このため「ただ、だらしがないだけ」「親の教育が悪い」「食品の窃盗壁がある」等、行動への理解が得られないためプラダー・ウィリーの子を持つ親は苦しんでおられます。ただ、この病気のことを知らない人がそう思うのは当然ですので、そのことを責めるつもりはありません。
この病気は治ることがありません。本人や家族の悩みは生涯続きます。私たち親にとって大切なことは、ひとりでも多くの方に、このような病気があることを知ってもらうことだと思います。「先天性行動異常」すなわち自覚できても脳の病気により制御困難な人がいることを知って欲しいのです。
弘樹の受賞が少しでもそうしたことの役に立てば、こんな嬉しいことはありません。同様の病気で苦しんでおられる全国の方々に少しでも希望を与えることができれば、この受賞はとても価値のあるものになると思います。
では当日を楽しみにしています。
渡辺弘樹 父 渡辺繁樹
母 渡辺有美
この記事は2008/08/21に公開され2024/02/28に更新、1 ビュー読まれました。